あとがき

 遠山の子どもたちの目は、とても澄んでいてきれいだとよく言われています。
たとえ小さな学校でも、これはすばらしいことだと思います。
 それは、昔からよく言われることですが、目のきれいな人に悪い人はひとりもなく、
みんな心の美しい人だとされているからです。美しいみなさんの目は、どんなに世の
なかが進歩しても、またいくらお金や物があっても作ることはできない大切な宝です。
これはおとうさん、おかあさんの深い愛情と、生まれ育った遠山の自然が、みなさん
におくってくれた最大のおくりものだとも言えるでしょう。

 今度、教育委員会では、リトルリーダー養成講座の一つの事業として、小さな本を
出すことにしました。
内容については決して十分とは言えませんが、これはみなさんに、昔の村の様子とか
歴史について一緒に勉強してもらうためにまとめたものであります。
みなさんも学校で郷土のことについて勉強していることとは思いますが、知らないこ
ともかなり多いと思います。この本がそのために少しでも役に立ってくれるならば、
何よりの幸いです。

 ふるさとと言うものは、人間にとって何物にもかえることのできない大切なところ
であります。できるだけみなさんは、澄んだその目でふるさとをよく見て、知ってお
くことです。そしていまのうちに、たのしい思い出もたくさん作って下さい。
それがどんなに大事なことか、やがてわかる日があると信じます。


 山国の子ども風土記